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社会が生むトラウマ

年齢退行セッションをしていると、ほとんど同じ、両親像に出会う。

全く違う人生、悩みにもかかわらず、出てくる親は同じ。

忙しい母。存在のない父。

たいていの人が、母親に「もっと話を聞いてほしかった」「抱っこしてほしかった」「甘えたかった」
…と思いながら、
「でも、お母さん疲れてるから」「言っても困らせるだけだから」とガマンした幼児期を過ごしている。

父に対しては、イメージすら出てこなかったり、
頭ごなしに怒鳴る、お酒を飲む、妻をいたわらない…などの
ネガティブな印象しか出てこないことが多い。

最初は、母への不満、悲しみが強く表れ、父親は出てこない。
でも、すでに感じている。
父が母を追い詰めていることを。

私たちの親世代は、みんなこんなモンだった。

社会全体に性別分業が行き渡り、
男は仕事さえしていれば、父親としての役目を果たしたことになる…。
経済を支えるものが、家庭内の実権をもっていた。

家計の足しに働く母親は、仕事も家事も育児もひとりで背負い、
子どもとの時間をゆったりすごせるような環境ではなかったと思う。

効率優先、経済優先の社会が生んだトラウマは、
世代を超えて連鎖していっている。

ようやくその歪みに気づき、軌道修正が始まっているようだ。

成熟した社会には「分断」がない。
あるのは「調和」と「統合」。

「統合」とは、「人にすることは、自分にすることと同じ」という真理を理解すること。

父も母も、一緒に働き、一緒に家庭の責任を負っていくような方向性が見えつつあるのだが、
経済界が古い観念でいるから、この先はどうなるか。

経営者の哲学が問われている。
by tarakosun | 2008-02-12 18:03
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