これも、授業前シェアでのクラスメイトの話。
セラピストを目指しているのではなく、抑うつ状態を何とかしたくて入学したSさん。
30代、働き盛りの男性だ。
催眠に入る手前で、自分でブレーキをかけてしまうと言っていたが、
彼の変容はすばらしい。
抑うつがほぼ完全に治ってしまったのだ。
前回から今回の間に、彼に配置転換の辞令が出たそうだ。
それもやったことのない経理部門。
それなりの肩書きがある自分が、部下に一つひとつ聞きながらでないと仕事を覚えられないという状況になってしまったわけだ。
これでは、うつがもっと悪くなると心配していた彼だが、
ふっと「入社したときと同じだと思えばいいんじゃないか」
「みんなに聞いて、部下にあいさつして、それでいいんじゃないか」…
そう思ったそうだ。
そして、今回。
「とても仕事が楽しく、職場の雰囲気もよくて、うつがよくなってしまったんです」。
催眠に入れないと言っていたのに、何故こんなに改善したのか。
「みなさんが、学んでセッションをして、気持ちが動いてくると、
気分が落ち込んだり、学んでいることがつまらなく感じたり、
スクールの2,3日前から具合が悪くなったりします。
でも、這ってでも来てください。教室で横になっていてもいいので、
とにかくここに来てください。
ここに来て、他の人が癒されて変化していくのを一緒に見ていくだけでも
あなたにも変化が起きるからです」
先生が、始めに言ったことばだ。
Sさんに起きた変化を説明するには、
私たちの無意識は、深いところでつながっている
と言うほかない…私はそう思った。
「すべてはひとつ=ワンネス」ということばを思い出した。