「催眠」と言うと、
「催眠商法」や
「催眠術で女性たちを意のままにしたのではないかと報じられた事件」を
思い浮かべる。
私自身そうだった。
でも実際は全く違う。
「催眠状態」とは、何かに集中して、他がぼやけるような状態で、
私たちは日常そういった状態を度々体験している。
例えば、「編み物をしていたら、あっという間に何時間も過ぎた」時や
「慣れた道を運転していて、もう着いたの?」という時など。
だから、眠っているわけではなく、もちろん誰かにコントロールされることもない。
周囲の音も聞こえるし、言いたくないことは言わないでいられるのだ。
むしろ、とても冷静な状態だ。
それだけではない。
催眠状態になると、意識のふたが緩み、
潜在意識の中にしまいこんだ記憶や感情に直接アクセスできるから、
自分に悪影響を及ぼしている、本人すら気づかなかったプログラムを
自動修正することが可能なのだ。
意志の力ではどうにもならないような問題(タバコをやめるとか、憎い人を許すとか…)
に効果的で、カウンセリングやコーチングの比ではない速さで解決していく。
先生は、「憎んでいる人を許したいと思っても、意志の力では許せないでしょ。許しは、向こうからやって来るものなんだよ」と言った。
許したいのに許せない…。
意識は許したいと思っているのに、心の深いところでそれを拒む自分がいるからだ。
その葛藤のことを、「悩み」というのだろう。
実習の中で、私はどんどん癒されていく。
無意識の中の荷物に、ひとつひとつラベルを張り替えて。