日本は、「男は仕事、女は家庭」という性別役割意識が強い国。
年齢が高くなればなるほど、この考えに賛成する人が多くなる。
新潟市の意識調査の結果、
全体としては、若干反対派が増え、ようやく過半数を超えたが、
北欧諸国が男女共、8~9割が反対しているのに比べれば、かなり低い。
統計を、男女別に見てみると、
女性は賛成が約3.5、反対が6.5であるのに対し、
男性は、賛成約5.5、反対4.5で、男性の方が、性別役割を肯定している人が多い。
この統計のズレが、夫婦のズレとイコールなのではないかと思う。
ましてや、夫の給料は右肩上がりに上がらなくなり、
子どもの高学歴化による、大学全入時代となれば、
女性も働かなくてはならなくなるから、
「女は家庭」ではなく、実態は、「女は家庭と仕事」ということになる。
そうなると、妻の夫への不満は蓄積していくだろう。
それだけでなく、
このはっきりした役割分担は、人の自立を妨げてしまうという弊害もある。
男性は、経済力は持てるが、自分の身の回りのこと-料理、洗濯、掃除が上手にできなくなる。
子育てや介護など、妻か女のきょうだいに任せればいいと考えている人が多く、
自分の子どもや親であるにもかかわらず、何もしようとしない、することができない
-父親にも、息子にも、夫にもなれず、会社人間としての自分しか持ち合わさなくなり、
自分の人生は、会社のものとなる。
女性は女性で、家族の健康管理と夫の出世、子どもの学歴が自分の手柄と言わんばかりに、
すべてを家族に投入していく。
仮に夫に不満を持ったとしても、
経済力がないから、離れることができない。
社会性を身につける機会を得られず、狭い価値観で子育てに専念することになり、
自分の人生は、家族のものとなる。
この古い価値観は、戦争の時代の遺産。
世界から争いが亡くなった日は一日もないけれど、
少なくとも、現在の日本は戦争をしていないのだから、
もういい加減、その枠から離れよう。
そして、統合の時代を迎えた今、男女の統合も起きようとしている。
お互いの違いを認め合い、尊重し合い、自分にないものを吸収すること。
それが、これからの方向性。
統合の動きには、例外はない。
意識と無意識、自己と他者、シャドーと適応人格、公と民、内と外、子どもと大人、仕事と遊び
光と影、見えるものと見えないもの…。
こうして、統合によって、新しいものが生まれる。
これを「人類の進化」と呼ぶのではないだろうか。