交流分析の提唱者エリック・バーンは、
「過去と他者は変えられない。でも、現在と自己は変えられる」と言いました。
そのとおりです。
セラピーを受けるということは、
そのことに気づいたということになります。
私を含め、セラピーを受けようと思うときというのは、
周囲のせいにしていても、何ら苦しさは改善せず、
望んだように相手が変わるはずもないので、
むしろ不満が募るだけという状況になったときです。
セラピーを受けるということ自体、「自分を何とかしよう!」と決意した状態です。
でも、そう思ってセラピーを受けたのに、
催眠療法では、過去を変えることができる、そして、なぜか自動的に周りも変わっていくということです。
なぜそうなるのか。
もちろん、選択してしまったことは変えられませんが、
その選択してしまったことの受け取り方、感じ方が変わっていきますし、
何より、潜在意識には、「時間がない」から、
「過去」も「いま」にあるから、過去に簡単にアクセスできるんですね。
セッションの中で、「書き換え」という方法を取ることがあります。
実際の出来事が変わったわけではない、ただ、イメージで書き換えるだけ。
それが、何の役に立つのか。
実は、人の脳は、記憶する回路とイメージする回路は同じなので、
ありありと感情を感じやすい状態(催眠状態)で、
イメージすると、あたかもそうだったような感じがしてくるのです。
もちろん、記憶が書き換わるというのではなく、
イヤな感情を伴っていた過去の出来事が、
思い出しても、その感情が薄れ、「どうでもよくなる」ような感じになるのです。
催眠療法では、過去は変えられるのです。
過去のとらえ方が変わると、自己否定感がかなり減り、気持ちが明るくなります。
オセロゲームに例えると、
過去の黒が、1つ白に変わっただけで、
現在の白との間にあった黒が、
全部白に変わっていくようなイメージです。
催眠療法は、それほど強烈なセラピーです。
私が、催眠療法のスクールに通っていたとき、
毎回、新幹線の中でお腹の調子が悪くなっていたように、
クライアントさんも、セラピーの1~2日前から、
頭痛、発熱、下痢などに見舞われる方が結構いらっしゃいます。
古い自分を守りたい意識が、
変化を察知して、反応するのです。
また、セラピーの継続中も、古い感情が出てきたりして、
つらくなることもあります。
よく言う、「好転反応」です。
スクールの時、先生が、
「必ず具合の悪い人が出ます。もしそうなったら、這ってでも来てください。
それは、セラピーが効いている証拠です。楽になる過程で起きることですから、安心して来てください」
と言っていました。
実際に、クラスメイトで、簡易ベッドに横になりながら受講した人がいましたし。
恐るべし、潜在意識です。
そして、知れば知るほど不思議なセラピーです。